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「あのさ美咲…お願いがあるんだけど…ね」
圭は体を屈めて上目遣いで俺を見る。…なんとなく何が言いたいかわかった。
「またかよ…たまには自分で…」
「だめぇ~、美咲にしか頼めないの。お願い」
圭は瞳をウルウルさせて俺を見る。まるで捨てられた子猫の様な表情…圭はこの表情で男を惑わせてんだろうなぁ。弟の俺でもちょっとドキドキさせるんだから…
「分かった、分かったよ!行けばいいんだろ行けば!」
圭は態度がコロッと代わり
「それでこそわが弟だ!頼むわよ」
「お金は?」
「夏の一括払いで!」
「またかよ…」
俺は再び外へ出た。
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