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「暗くなってきたなぁ」
空を見上げると星が1つ2つ瞬いて月が昇り始めていた。夜風が軽く美…いや源十郎の体を撫でると寒気に体を震わせた。
しばらく歩くと宅地から外れた造成地に出た。山あいを切り開いて成らされたここは殺風景で何もなく、枯草が風にサラサラ揺れていた。
源十郎は前方に人影を見つけた。月明かりに照らされた二人の姿…近付くにつれ源十郎をじっと見ているのが分かった。
源十郎は足を止める。二人の内の1人、腰のあたりまである長髪が口を開く
「…この少年が転生者か」
もう1人の角刈りでいかにも体育会系の男が答える。
「間違いない、特長が言われた通りだ」
二人共白い学ランを着ている。源十郎は身を構えて問う
「見かけない制服だな。どこの学校だ」
長髪は軽く会釈し
「はじめまして…と言うべきかな。私はここでは鳳凰学園の柳生蔵之助と名乗る者…又の名をマスタング…記憶にも残ってないだろうね」
次に角刈りが名乗る
「俺はここでは玄武甲之助…ヤクトだ!忘れたとは言わせないぞ!」
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