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キーン コーン カーン コーン
「チャイム鳴ってるぞー。席につけーー」
朝から学校の案内をしてくれた、どこにでもいるようなハゲ頭の教師は昇降口の階段を一つ上って一番奥へ行った、２年Ａ組の教室へと私を導いた。
「えーー、情報の早い奴は知ってるかもしれんが、……転校生を紹介する」
担任だと思われるハゲがそう言ったとたん、30人弱いる生徒が教室のドア越しに私の方を見る。
（目立つの嫌いなんだけど）
「おい、入っていいぞー」
ハゲが大きめな声で私のいる方へ言った。
（めんどくさ……）
「広島市立滝高等学校から来ました、長岡亜美です、よろしくお願いします」
「…………………。」
私が言って数秒の間、教室はシーンとしていた。
「………おい、拍手だ拍手」
ハゲが焦ったように言った。
「…………っと、じゃー長岡は池内の隣に座ってもらおうかな」
「……池内？」
「窓側の一番後ろの席が空いてるだろ。そこだ。」
「あーー………分かりました。」
私は言われた通り、窓側の一番後ろの池内の隣に座った。
「よろしくな。」
席に座ると池内がそう言った。
……格好いいな……。
素直にそう思った。
「…こちらこそ」
数秒経ってから私も答えた。
今思えばこれがあなたと私の"出会い"だったね。
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