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きつい言葉とは対照に優しい声
荒々しい息づかいから必死に走ってきてくれたことがよく分かる
見なくても分かるその相手に少し心が落ち着く
「高柳先生…。」
私はゆっくり振り返って名前を呼ぶ
そこにはいつもの無表情は無く、少し余裕のなさそうな顔をした先生がいた
そして私の顔を見た瞬間へなへなと座り込んでしまった
いつもとは違う先生の様子に私は少し動揺する
先生、どうしたんだろう?
「大丈夫ですか?
水買ってきましょうか?」
とりあえず息が絶え絶えの先生に水を買おうと思った
「いや、いい。
ちょっとそれもらっていい?」
そう言って指差したのは私のペットボトル
「でもこれ、さっき飲みました
口つけちゃったんで…」
汚ないですよ、と言う前に取って飲む先生
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