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私は近寄ってそれを見ると、伏せられた写真立てに消えかけた字で何か書かれている
「なになに…?
ご…め…ん……ね。
しょ…う…へ…い?」
ごめんね、しょうへい
その下には何か液体をこぼしたような大きなしみができていた
しょうへい、って…?
たしか、しょうへいって名前は国語の先生の中では三上先生しかいない。
だとしたらこの字は奈央さんかな…?
2人には何があったんだ?
がたんっ、
扉が開く音がしたからあわてて写真を元に戻して座った
扉からは先生がくまのついたマグカップを2つ持ってやってくる
「遅くなってごめんね。
はい、紅茶!
甘くしたからおいしいと思う。」
「ありがとうございます」
私は紅茶を一口飲む
「おいしい…。」
「でしょ?
俺、普段こうやって飲んでんだ。」
そう言って先生も一口飲んでから私の方を向く
「ちゃんと話すね…
奈央のこと」
いよいよか…。
「はい…」
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