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「奈央とはね、幼なじみだったんだ。」
「え…。」
「だから小さい頃からずっと一緒だったんだけど、そのときは太ってて、
今のまこみたいに自分に自信がない子だった。」
「………………。」
「俺、当時けっこう荒れててさ、
ネガティブなあいつに冷たく当たってた。
いっぱいヒドイことも言ったしな…。
だからさ、そっから自然と関わることもなくなって、
大学に入ってほんっと偶然会った。
それもすっごい綺麗になって
で、言われたんだ、昔からずっと好きだったって。」
……そうだったんだ。
「俺は好きとか言う気持ちはなかったけど。
そんときチャラかったから。
来るもの拒まず、みたいな?
美人だったし当然OKしたんだ。」
「それから、付き合い始めたんだけど、
いつの間にか俺の方が奈央にどんどんはまってった。」
「奈央の親が交際に反対したから真面目になったし、勉強もした。
奈央と一緒にいれるなら何でもできた」
一瞬間をおいて、先生の顔が曇る。
「でも、それは復讐だったんだ。」
え…?
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