分からないココロ

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悲しいときは寝て忘れるのが一番よ、 そう言ってお母さんは早退の理由も聞かず部屋を出ていった。 私は今日はその好意に甘えて寝ることにした。 「まこ!まこってば! 起きなさい。」 「う……ん…?」 「三上先生がいらしたから挨拶しなさい。 お母さんは邪魔者だと思うから、買い物行ってくるわね。」 ウインクしながらお母さんは出ていった。 余計なお世話だよ…。 「あの、まこ。こんにちは。」 呆気にとられてると私の前に三上先生が現れた。 え、もう入ってきちゃったの!? 私は目をこすりながらあわてて立ち上がる。 でもふらっとしてすぐにベッドに倒れ込んでしまった。 「まこ?どうしたの?」 「あ、いえ。 ちょっとふらっとして…」 「大丈夫?顔が少し赤いなぁ ちょっとおでこ貸してみ?」 ぴとっとおでこに冷たい感触。 「あっつ! まこ、熱あるよ絶対。 ほら、立たなくていいから安静に寝てなさい。」 「すいません…。」 「ううん。 氷とかいるよね? やったげるからちょっと待っててね。 冷蔵庫開けさせてね。」
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