分からないココロ

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「そんな悪いです。 私がやります!」 「なに言ってんの! 今のまこには無理でしょ。 大人しく待ってなさい!」 「すいません。」 「全然いいよ。」 先生はドタバタと走って氷を運んできて、氷枕を作ってくれた。 「ほら、まこ。 この上に頭置いて。」 「ありがとうございます。」 「ううん。 あ、まこのカバンを桜井から預かったんだ。 置いとくよ。」 「なんかすいません。」 桜井先輩にもあとで謝らなきゃ。 「そんなことは全然いい。 でも、どうしてなんの連絡もなしに帰っちゃったの? まこらしくないよ。」 「………………。」 「まぁ話したくないなら無理に言わなくてもいいんだ。 学校には俺から適当に理由を言っとくし。」 「…………………。」 「ただすごく心配した…。」 「………………!!」 「まこが授業に出てないって聞いて学校中探し回った。 まこのお母さんから家にいます、って連絡がきたときにはどれだけ安心したか…。」 「………それは、ほんとごめんなさい。」 「理由聞かせて? 学校逃げ出すまでしちゃった理由を俺はちゃんと知りたい」 「………………。」 「あー、もう焦れったい! 今は教師じゃなくて、プライベートの三上将兵だから。 何がなんでも理由吐かせるよ?」 先生はそう言って口角を上げた
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