三上先生の想い

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「まこー?まこっ?」 どしゃ降りの中、俺は呼び掛けながら裏庭や空き教室を探すがいない。 くそっ、どこに行ったんだ…。 結局見つからなくてトボトボ職員室に戻ると、教頭先生が俺のところに来た 「三上先生、伊東さんのこと、大橋先生から聞きましたよ。 それでさきほど伊東さんのお母さんに確認したところ、まこさんは家にいるそうです」 「あ、はぁ…」 まこ、家にいたんだ。 よかったぁ…。 「なぜ無断で学校を飛び出したか、お母さんも心配してらっしゃいました。 彼女、いじめとかにあったりしてませんよね?」 「それはないと思います。」 「ではどうしたんでしょうか。 ま、なんにせよ生徒に何かあってからじゃ遅いんです。 しっかりと指導をお願いしますよ」 「はい。すいませんでした。」 「また伊東さんの理由が分かりしだい教えてください。 ただ本人を傷付けないようくれぐれも注意はして下さい。」 「はい…。」
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