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「なに泣いてんだよ」
先生は私を見て驚きながらもハンカチを渡してくれた。
「あ゙りがどうございまず」
「しゃべらなくていいから落ち着けよ」
「ばい゙…」
私はしばらく涙がとまらなかった
先生のハンカチをぎゅっと握りしめたまま17年間ためてきた涙を全部流す。
先生はそれをずっとずっと待っててくれたんだ。
「落ち着きました」
「ん、じゃあ駐車場行くぞ」
「はい。」
私達は駐車場へ向かった
黒い大きな車の前で先生がとまり車のロックを解除する
「乗れよ。」
助手席をあごで指しながら私に言う
「はい…。」
中に入ると先生がいつもつけている香水のにおいがした
私は行き先を伝え、車が動き出す
先生は何も言わず運転をしている
私は今になって不細工な顔をさらけだして泣いたことに気まずさを感じた。
先生どう思ってるかな?
チラッとサイドミラーから先生の表情を見ようとしたが、真っ赤な目をした自分しか見えなかった
うわぁ、ひどい顔。
私はあわてて目をそらす
そのとき赤信号で車がとまり、びーっと音がする。
私は驚いてそちらを見ると窓を開けた音だった。
先生は夜風に髪をなびかせ、窓にひじをつきネクタイをゆるめている
その姿がとても色っぽくて私の目を釘付けにさせる
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