ブスなんて思うな

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「寒い?」 先生は私のそんな姿を、寒いから見つめていたのと勘違いしたみたいで私に問いかける 「いや、大丈夫です」 「あっそ。」 見とれてたなんて言えないよ 車はもうすぐ私の家に着こうとしていた。 「こっから右?左?」 「あっ、右です で次の2つ目の信号を左折したとこにある赤い屋根の家です。」 「ああ、あれか。」 「先生、ありがとうございました」 「うん。」 「ここまで送ってくれたことだけじゃなく、 私がプリントを完成するまで待っててくれたこと。 出来たプリントを生徒会室に届けてくれたこと。 それに、私を励ましてくれたこと。 全部含めてありがとうございました」 「あ?励ます? 俺はお前を励ましたおぼえなんてないけど」 「えっ?だって私に言ってくれたじゃないですか? ブスじゃないって。」 「俺は事実を言っただけ」 「……………!?」 どきん! 「ほら、着いた。 早く帰りなさい」 「はい。さようなら」 「あぁ、じゃあな。」 先生は車を発進させて帰っていった 胸が激しく高鳴る。 私、いろいろありすぎて疲れてるんだ。 速攻寝よう。
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