笑顔になって

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ぺちんっ! んっ…? 今、おでこを叩かれたような 私は目を開ける そしたら先生が目を開けてこちらを見てた 「お前は三上が好きなんだろ? 嫌がれよバーカ。」 「な、…」 「俺はこんな本ごときで欲情するほど飢えてねーよ」 「じゃあ、さっきムラムラしたってのは…」 「うーそ。 したとしても俺は生徒を襲ったりなんて絶対しないから」 「つまり、私で遊んだわけですか。」 完全に自分が悪いのにこんな言い方しか出来ない私。 最悪だな。 「言い方わりぃな お前らがエロ本を俺に見せてからかってきた罰だよ」 そうだ、私が悪い 早くごめんなさい、って言わなきゃ。 でもその前に涙があふれてきた いつの間にこんな涙もろくなったのだろうか? 「はぁ…………。泣くなよ」 先生がそんな私を見て呆れながらもハンカチを差し出す どうして? いくら先生に笑顔になってほしいからと言っても今回のはふざけすぎた しかもちゃんと謝らなきゃいけないのにそれさえもしない なのにどうして優しくハンカチを渡してくれるの? その優しさに甘えてしまったのか自分の口が言うことを聞かないで暴走しだした 「いりません、ハンカチなんて。 先生ひどいです! 私をからかって、先生は遊びで楽しかったかもしれないけど、私は傷付きました ただ先生に笑ってほしかっただけなのに…。」 「はっ? どういうことだ伊東?」 先生が私の腕をつかむ 「さわらないで。 先生なんて大っ嫌い!!!!」 私はその場から逃げだした 最低だ…。 悪いのは自分なのに… 自分の行動を全部先生のせいにして大嫌いなんて言って。 情けなさすぎるよ…
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