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車の中はきつめの香水のにおい
高柳先生の時とは全く違った
顔の赤みがまだひかない私に車内は少し暑い
「窓…開けてもいいですか?」
「あ、暑かった?
ごめんね。」
先生が運転席と助手席の両方を開けて風を通してくれる
「また寒くなったら言うんだよ?」
「はい。」
しばらく沈黙になる
私は夜風にあたりながら景色を見ていた
三上先生との沈黙は不思議と気まずくなくて居心地がいい
外は満開の桜が風で花びらをおとしている
ライトアップされてるその桜の姿はとても綺麗で見とれてしまう
「きれい…」
「んー?あ、桜?
今の時期きれいだよね」
三上先生は運転しながら私をチラッと見て言う
「はい…。」
ほんときれいだな
またうっとり桜を見つめる
「まこ、今日時間ある?」
「えっ?ありますけど…」
唐突な質問に先生をまじまじと見つめる
「じゃぁ、いいとこ連れてってあげる」
先生は唇に人差し指をあててウインクする
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