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｢先生、ありがとう｣
｢うん｣
先生は少し照れくさそうに笑う
｢にしても、ここきたの久しぶりだなぁ…｣
｢そうなんですか？｣
｢うん、5年前にきたとき以来｣
このとき気のせいかもしれないけど先生が少し、ほんの少しだけ、切ない顔をしたような気がした
｢そのときは誰と来たんですか？｣
聞かなくてもなんとなく予想はつくが、一応尋ねる
私の予想が当たらないように願いながら…
｢大切な人…かな？｣
先生はあまり言いたくなさそうに言葉を濁す
そして、ちょっとつらそうな顔でこちらを見て苦笑する
｢そうですか。｣
私はこの話題を流したくなった
だって誰だって思うよね。
5年前に連れてきた大切な人は彼女で、
先生はその人のことが大好きなんだって
そう言えば今思うと先生はいつもネックレスをつけている
ハートのシルバーのネックレスだ
男の人がハートて、って思ってたけどもしかしたら彼女とのもの？
心がモヤモヤする
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