214人が本棚に入れています
本棚に追加
ピンクやオレンジ、キラキラ瞬く街を彩る華やかなイルミネーションを、12月の寒さにくっついて暖め合うカップル達越しに眺めた。きっと幸せそうな彼女たちから見たら恨めしそうな顔で。
クリスマスイブの公園にはどこからか楽しげな音楽が流れ込む。それを遠くに聞きながら、もう一度携帯電話を開く。
着信も、メールもなし。
クリスマスムード満点の街とは裏腹に心に寒い木枯らしが吹く。
1人身震いしながら女――河合 詩織は昨夜自分が送ったメールを読み返した。
『To アキラ
イブの日、あの公園のイルミネーションの前で待ってる。
来れたらでいいから来てね。
詩織』
最初のコメントを投稿しよう!