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白ウサギさんは人混みの中をどんどん進んで行ってしまう。運動音痴で体力のない私は息を切らし、何度もぶつかりそうになるのを避けながら必死に追いかけた。
「し、白ウサギさん…待って…くだ…さい…」
「まったく…根性のないアリスですね」
人混みを抜けたところでやっと白ウサギさんに追いついた。白ウサギさんは余裕な顔をして私が追い付くのを待っていた。
「そう…言われ…ましても…」
私は必死になって息を整える。その間も白ウサギさんは待っていてくれた。
「…仕方がないですね」
盛大に溜息を吐いた白ウサギさんは私の手を引いてゆっくり歩き出した。
男の子と手を繋いで歩くなんて…私は何だか恥ずかしくなり、下を向いて引かれるがままに歩いた。
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