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この世界には昔にあったものがあるのに現在(いま)の世界には無い
それは妖(あやかし)
人は何故、妖を無くしたのか
それとも妖、自らが消えたのか
今となっては判らない
だけど僕はそう言うのに興味がある
だって知りたいじゃないか
何故、そうなったかを………
キーンコーンカーンコーン
学校中に放課後のチャイムが鳴り響いた
僕は通学鞄を手に取り下駄箱へと足を運ぶ
そして、上履きから外履きに履き替え帰り道を歩いた
「あ~あ、中2にもなってもどこにも入部してないってど~ゆう事なのさ」
僕は中学2年にも関わらずどこにも入部はしてない
基礎体力、知力、共に人並み
趣味は妖怪探し(妖怪についての知識豊富)
特技は今のところ無し
どこにでも居そうで居ない中学生
何だかんだでぬらりくらりと………ってぬらりひょんかい!
なんてツッコミのポーズを取りながら1人ツッコミをする自分
初めて見る人には変人扱い
……もう絶望的になりそうです
そんなこんなで歩いていると日影の下でオロオロとしてる人がいた
その人は女の子で歳はだいたい僕と同じくらいか少し上かな?
僕は何故、オロオロしてるのか気になり話を掛けて見た
「あの、どうかしましたか?」
「あ…! え、え~と………道が…」
「道?」
「い、いえ…何でも有りません」
可愛らしく顔の前でパタパタと手を横に振った
ちなみに今の行動、どストライクです!
そんな事より困ってることは確かだったのでもう少し話を聞いてみる事にした
「途中まで言ったじゃないですか、はっきり言って下さい」
「ふぇ?! で、でも……」
「出来る事ならしますので」
「じゃ、じゃあ……」
その時、急に雲行きが怪しくなった
空に視線を向ける
そう言えば今日の天気は晴れのち曇りだったっけ
でも急になるもんじゃないし……
僕は視線を女の子に戻すと何やら俯いていた
すると今度はフラつき始めた
僕はとっさに女の子を支えた
「だ、大丈夫ですか?」
「………足りない」
「えっ?」
「暑い……」
「あ、暑い? まだ春なんだけど…」
女の子は僕を見た
すると女の子はさっきとは違う針のように研ぎ澄まされた目つきと右目は紅色の瞳に、左目は緑色の瞳になっていた
僕は右目の紅色の瞳を見てすぐに思い出した
「まさか! 君は…!」
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