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すぐさま女の子を離して逃げようとしたけど時遅く、視界がだんだんぼやけてそのまま倒れ込んだ
気が付くと僕は公園のベンチに横になっていて額にはハンカチが乗せられていた
「あれっ? 何でこんなとこにいるんだろ?」
体を起こしてから僕は腕を組み記憶を整理した
確か、学校を出てしばらくしたら女の子に出会って急に雲行きが怪しくなって女の子の様子がおかしくなってフラついたから僕が支えに入った後、視界がぼやけて………
記憶を整理している途中、背後から物音が聴こえた
「あ、気が付きましたか」
ん? と思いながら後ろを振り返るとあの女の子がいた
「き、君は……!」
「だ、大丈夫でしたか? どこか身体に変化はありませんか?」
「あ、いえ…どこも……」
「良かったぁ、異性の方にするのは初めてでしたので」
ホッと胸元を抑え安心していた
って異性にするのは初めてって…何!?
何なのさ!? まさか知らぬ間に危うい区域に足を踏み入れちゃった?!
あ゛あ゛ーー! そんなぁーー!
グッバイ、僕の人生
グッバイ、僕の夢
みんな儚く散った事、忘れたりはしないよ
そう手を合わせて祈るように天見ている僕に疑問持ったのか女の子は少し考えて顔を赤くした
「あ、いや! ち、違うんですぅ!! 初めてってそう言うのじゃなくってぇ!!」
「え? 違う?」
「は、はい…初めてって言うのは異性の方から血をもらう事でして……」
「血をもらう事? な~んだそんな事……か…」
僕は沈黙しながら段々顔が青ざめた
首に手をあてて恐る恐る聞いた
「じゃ、じゃあ…まさか…やっぱり……」
「はい……血、吸いました」
女の子は申し訳なさそうな表情をしながらシュンとしていたがシュンとしたいのはこっちだ
だって血を吸う=血を飲む=血を食す=吸血鬼(ヴァンパイヤ)
遠くの場所から鐘の音が聴こえた気がした
また僕は女の子に恐る恐る聞いた
「君……やっぱりヴァンパイ……ヤ?」
「…………はい」
「……………」
ニコッ
「……………」
シュン…
「………ノーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」
僕は叫んだ
女の子はビックリして「ひゃう?!」と声を上げて腰を抜かした
しばらくして僕は落ち着きを取り戻し女の子を隣に座らせた
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