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「さあさあさあ! やって参りましたーーー!! 夏恒例の肝試し!」
「夏恒例って…確かに恒例って言えば恒例だけど……」
「まあいいじゃん、楽しそうだし♪」
「なっちゃんはいつも何かあるとそう言うよね」
「はい、そこ! うるさい黙れ! 顔面を地面めり込ませろ!!」
「何でぇ~~?!」
聞いての通り、僕らは今、肝試しに来ている
部活活動って名目で本来、入っちゃいけない墓地をお寺の住職さんに頼んで無理を言って開けてはもらっている
立花先輩(通称部長)は最初からテンションは高いし夏紀(通称なっちゃん)はワクワクしながらくっついてるし…
僕は2連続の溜め息だよ…
「ハア~…」
ちなみにこれで3連続…
あ~、僕の運が…遠くお空の彼方へ………飛んでいかずなっちゃんへ
何でなっちゃんのトコに行くのさ!
って運って見える物なの?!
あ~早くみんな来てよ~、じゃないと僕の運が…
僕は若干涙目になりつつそう思っていたら遠くから「お~い」と声がした
「お~い、部長~~~」
「おっ、来た来た♪ お~い、早く来なさいよ! どれだけ待たせさせてんのよ!!」
声の主はゼェゼェと荒い呼吸をして僕らの元まで着いた
近づいて分かったけど声の主は3年生である松本さん(通称あっはん)だった
その人以外にも後ろに2人
右は女子で2年生の葛城さん(通称茶々丸、部長は茶々って呼ぶ)
左は同級生の国分さん(通称は無いので下の名前の羅奈)
あっはんさんは部長の肩掴んだ
「いや~悪ィ悪ィ、あの野郎が遅くってさぁ」
「触るな、変態! 痴漢! 全身へそゴマ野郎っ!!」
酷い言いようだよ、部長…
流石のあっはんさんでも……
「あっ、気持ちいい♪」
キ、キモイっ!!
いつも事ながらもキモイすぎる!!
流石にあっはんと部長に名付けられたからだけでもあってマゾヒスト!
小さな事でも感じるようになっただけはある、と言うべきなの、かな?
するとあっはんさんの後ろにいた茶々丸さんが……
「それよりキュンキュはいつもながらも部長にその格好をさせられているのだな」
キュンキュとは僕の事でいつもその格好と言うのは………
「実の所は茶々も可愛いと思ってるでしょ? 白のゴスロリ」
部長、説明ありがとうごさいます
はい、確かに白のゴスロリを着せられています、笹瀬(通称キュンキュ)です
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