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うるうると目に何やら汁をため込んでいた。
「お、お話しが御座います。
せめて上がっていっては……」
まずいぞ、この流れはヒジョーにまずい!
「しかし、拙者もまた武士…
鍛錬を怠れば戦場でいつ討ち取られるか……」
「そんな事は無いはず! シン様はあまり鍛錬はされてない故!」
なぜそれをっ!?
「ですからせめてもの間だけでも………」
と、その時。
「こら、シン。 拙者を置いて茶店にくるとは不届きでは……おや、桜殿も入らしたか。」
「ゆ、幸村様……」
ナイス幸村! 良いところに来たもんだ!
「珍しいではないか、店に顔を出しているとは。
確か、シンの言葉で言うのならば桜殿は…いんどあ? ではないのか?」
「あ、あの…私……」
「む? どうなさったのだ? 桜殿?」
「幸村様ほど自信がありませぬ!」
うわぁ~ん、と泣きながら店の奥へと消えていった。
「拙者ほど自信が無いとは一体なの事でござるか?」
「お前、自覚無いなぁ……」
いつまでも下だけ着物着て、上だけ袴姿のお前を見たらかなり自信無くすよ、桜さん…
それに気づかない幸村の鈍感さはすげーよ。
そう思いつつホッとする。
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