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とある一角の部屋にて事件が起きた
被害者は車椅子の老婆
犯人は現在捜索中で犯行現場は今、私がいる部屋だ
事件当時、この部屋には鍵が閉められていた
当然窓もだ
となるとこの事件は密室殺人事件となる
死体発見者は3人
娘とその叔父、そして執事
被害者を含めたこの4人は地域では有名な富豪らしく旅行でこの地を訪れたと言う
執事は被害者の側近の為、無理を言って付き添い、娘はすでに結婚はしているが親孝行と言う名目で一緒に旅行に来たと言う…
さて、まずは今のこの部屋の状況について説明しよう
さっきも言った通りこの部屋は密室でその中にいた老婆が頭を撃ち抜かれて死んだ
老婆は脚が悪く車椅子で移動をしていた
ドアの鍵穴は銃で撃ち抜かれていて破損している
つまり、何らかの方法で老婆ごと鍵穴を撃ち抜いた……
奇妙にして謎の多い事件…さて、どう解いていくか
顎に手を当て葉巻を吸っていると1人の刑事が私に寄ってきた
「どうだい? 解けそうかい?」
「後1歩と言うところだがこれだけの情報だけでは些か難しい」
「そうか……
なら新しい情報を話してやる」
そう言って刑事は執事を指差した
執事は右肩を押さえながら応急処置を受けていた
「彼は被害者に薬を渡しに行くため定時に薬を持ち、この部屋を訪れたそうだ
すると誰かが鍵穴ごとドアを撃ち抜いている所を目撃したが犯人は執事に気付いたのかすぐさま執事の右肩を撃ち抜いて逃げたそうだ」
「ふむ……右肩、をね」
私は執事に近付き右肩を拝見させてもらった
右肩を見てみると服に血がべっとりと付き銃弾の摩擦で服の破れがはっきりと分かる
「ふむ……なるほど、刑事殿少しいいかね?」
「何だい?」
「残りの2人とこの事件について一番詳しいホテルマンがいるはずだ、呼んできてほしい」
「し、しかし……事件の方は」
「君は一体今まで何を聞いていたんだい? 事件はとっくに解決している」
「……分かった、君を信じよう」
刑事は人探しに時間が掛かってしまったが犯行現場の隣の部屋に連れてきてもらった
私はすでにそちらへと移動済みだ
「さて、わざわざ済まないね」
私は顎に手を当てみんなを見る
娘、叔父、執事、ホテルマンは横1列に列んで不安そうな顔や睨む顔があった
「早くしてよ! こっちお母様が亡くなって大変だって言うのに!」
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