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「落ち着いて下さい、お嬢様」
娘を落ち着かせる執事
「それより我々を集めて一体何をなさるんですか?」
ホテルマンはうろたえながらも質問してきた
「うむ、現場検証をしている内に犯人が分かったのでご家族方に話そうと思いましてな
失礼ながらもこっちの勝手で呼ばせてもらった」
「犯人が? ならば何故こんなにも早く伝えるのだね?」
「単刀直入に言わせてもらうとこの中に犯人がいる」
私を除いた全員は驚愕ししばらく口が閉じなかった
私は近くにあった机を部屋の中央の鍵穴と真っ正面になる所に起きその上に花瓶を1つ置いた
「刑事殿、1つ頼まれてはくれないかね?」
「あ、ああ…」
刑事に今からやってもらうことを説明すると少し動揺し返事をせずに廊下へと出た
私と4人らは花瓶を挟むような形で佇んだ
「さてホテルマン殿、あなたが知っている事を話してはくれませんかな?」
「は、はい……」
ホテルマンは深呼吸をしてから嘘の無い事を語り始めた
「この階の部屋と廊下を掃除中の時でした
私はいつものように掃除を終えて係員用のエレベーターで降りようとした時銃声のような音が聞こえました
怖くなった私は動けなくなったのですが銃声が気になってつい壁に隠れつつ見たんです、すると執事さんが倒れていたんです
すぐに近寄り出来る限りの事をしてから警察に連絡しました」
「有り難うごさいます
では執事殿も話しては頂けませんかな?」
「構いませんが……」
執事はコホンと1つ咳払いをして話を始めた
「私(わたくし)は奥様に頼まれた時間になっていたので薬を持ち奥様の部屋に向かいました
部屋の前に差し掛かると人が立っていたのです
気にはなったのですがしばらく様子を見ようと伺っていますと人が懐から何かを取り出しバァーンと言う音と共に人はこちらへ走ってきたんです
人は1度立ち止まりまた懐から何かを出したんです
その時、初めてそれが銃だと気付きました
私は右肩に銃弾を受け倒れてしまいその人を逃がしてしまいました」
「そして、ホテルマン殿に助けられたと…」
「はい…」
「ふむ、なるほど」
丁度話が一通り終わると廊下から銃声が聞こえ部屋の中の花瓶が割れた
4人らはそれに驚き戸惑った
「御安心を
これは犯行を再現しただけなので」
そしてまた廊下から銃声が聞こえた
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