いろんなバレンタイン

幽妃とその周辺

「幽妃さまー」

「ん？なにかしら？」

振り返る幽妃、駆けてくる絵羽、歩いてくる紬。

「幽妃さま、はい、コレ」

ズイっと差し出すラッピングされた袋。

「なにかしら？これは」

「今日はバレンタインですよ幽妃さま」

「あぁ、そういえばそうね。でも、こういうのは男性にあげるものなんじゃないかしら？」

「好きな人にあげるんですよ♪」

満面の笑みの絵羽。紬も箱を取り出す。

「せっかくですので、私も用意してみました。日々の感謝の気持ちも込めてです。どうぞ受け取ってください、幽妃」

「そ、そう。じゃあ、いただいておくわ」

「幽妃さま、開けてくださいよ」

包みを開ける幽妃。ゴロっと大きなチョコの塊が出てきた。

「これは・・・なにかしら？」