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守屋優とその周辺
「もーりゃくーん!!」
猪突猛進で突っ込んでくる、宿南舞子。
「す、宿南さん。なんですか?」
「はい、コレチョコね。今日はバレンタインだしね!じゃあ、私は行くから、バイバイ!剣道部はいつでももーりゃくんを待ってるよー!!」
そしてまた走り去っていく舞子。唖然とする優
「嵐のような人だな、いつものことながら・・・」
「優くん」
「おわぁ!?」
背後から声をかけられ、びっくりして飛び上がる優。
「もー、そんなに驚かんといてやー、ちょっとショックうけてまうわー」
ホロホロと泣くマネをする咲。
「し、失礼しましたお嬢様」
すぐにかしこまる優
「もー、またすぐそうなるー。んで?今はなんかあったん?」
ドキリとし、反射的にもらったチョコを隠す優。
「い、いえ、何も・・・」
「ほんまー?今なんか隠さへんかったー?」
優の後ろを覗き込もうとする咲、隠そうとする優。
「いえ、ほんとに、なにも・・・」
「むー、優くん強情やなぁ・・・えいっ!」
優のふところに飛び込み、くすぐり攻撃をしかける咲
「え、わっ!お嬢様!?それは・・・」
思わずチョコを落とす優
「お?優くーん、チョコもらったんやー。モテモテやねー」
落としたチョコを掴み上げプラプラさせる咲、意地悪に微笑む。
「いえ、それはさっき宿南さんが・・・」
「あー、宿南さんね。彼女は優くんにご執心やからねー」
顔を伏せる優
「んー、うちもチョコ用意してきたんやけど、もうもろてるんやったら、うちのチョコなんていらんやんなー?」
つまらなさそうな顔をする咲
「あ、いえ、そ、そんなことは・・・」
しどろもどろになる優
「んー?欲しいーん?」
優の目の前にチョコをちらつかせる咲
「あ、う、その・・・」
従者の立場で素直に欲しいとも言い出せない優
「うーそ、うそや。ちゃんとあげるで、優くん。いじわるしてゴメンな?」
チョコを優に手渡す咲
「あ、ありがとうございます。お嬢様・・・」
それでも若干舞子に対しての対抗心があるのか、優をビシっと指差して
「ちなみに・・・手作りやで」
優も微笑む
「はい、ありがたく食べさせていただきます」
「ふふ、ホワイトデー期待してるで」
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