朴念仁と空回りの恋心

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そして一向に渡す機会を見出せずズルズルと作業を進める雫 (うぅ~、わ、渡さなきゃ) 作業も一通り終わり、薫が帰りの準備を始める 「さて、じゃあ今日はもう帰ろうか?」 (あ、う、あぁ・・・) 「きょ!こここここ、これ!どうぞ!!」 追い詰められた雫はムードもなんもなく、いきなりチョコを出さざるをえなかった。 「え?なに?」 「きょ、きょ今日はバレンタインでですので・・・」 「あぁ、そっか。いやー、今日はバレンタインかー。ありがとう。あ、開けてもいい?」 「どどど、どうじょ!!」 「うわぁ、手作り?素敵だね」 顔が赤くなりすぎて蒸気でも噴出しそうな勢いの雫である。 「いいいいいえ、お口に合えばなななんとかです!!!」 「うん、おいしいよ!ありがとう、ツッキー」 またも微笑む薫。雫の心拍数は早鐘を打ち続けていた。 「い、いえ!こちらこそありがとうございます!あ、あの用事を思い出したので失礼します!!」 逃げるように駆け出す雫。吸血鬼の身体能力で即座に逃げ帰った。
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