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凌我と天下
「て、天堂くん。これ、もらってください!」
「あ、あぁ。ありがとう」
女生徒は天堂凌我にチョコを渡し走り去っていった。
「いや、お前どんだけチョコもらえば気が済むんだよ」
隣の大柄な男、大神天下がツッコむ
「む・・・送り主がわからない。これでは来月返せないな・・・」
天下と凌我は一緒に通学しているので、天下は凌我がチョコをもらいまくる様を朝からずっと見ていた。
「しっかし、お前はどれだけもてるんだよ。まるでマンガのレベルだな」
「こう言ってはなんだが、別に僕は欲しいとは一言も言ってないんだがな」
「おいおい、それを言っちまうかっつーの」
「羨ましいのか?」
「いやいや、そうじゃねぇよ。甘いもの好きじゃねぇしな」
「そうか。しかし、お前はにはひとつもこないな」
「は、俺は別にいらねぇよ。しかし、わざわざチョコを入れる袋を持参で登校とか、どんだけだよ」
茶化され凌我は少しムっとする
「去年はカバンに収まりきらなかったんだ!くれた人に失礼だろう」
「さいですか。そらまたマジメなこって」
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