ガジルの発明は怖いよ(?)

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あれから数時間が経ち時刻は夕方。 俺達はロビーで待ってるけど、シャルはまだ帰ってこない。 「シャル…帰ってこないね」 「そうですね…あのスピードなら、下手したらアーウェスト一週旅行でもしてるかも知れません」 「そうだなぁ…もしかしたらどっかに墜落してるかもしれないし…」 俺が呟くと、ラクザス、グリードの順に予想を述べ、再び同時にため息を吐く俺達。 「あれ?シャルはどこか行ったの?」 報告書が一段落ついた様子のロイが、ロビーを見回す。 シャルがいないのが不思議な様だ。 「「「シャルは星になりました」」」 「えっ!!?どういう事!?」 俺達が声を合わせて答えると、驚いてコーヒーを入れようとしていたコーヒーカップを落としかけるロイ。 まぁ、これだけだったらビックリするよな。 死んだかと思うよ、俺なら。 まぁ、限りなく安否は分からないんだけども。 「それはね…」 俺はほんの数時間前に起きた悲劇を語る。 「なるぼどね…」 それを聞いて、合点がいったという風に頷いた。 「まぁ、シャルなら大丈夫だよ、きっと」 …うわぁ、シャルの扱い軽ッ!! 可哀相なぐらい軽ッ!! 俺がある意味驚愕していると、ギルドの玄関のドアが開いた。 そこから入ってきたのは…ボロボロになったシャル… 「シャル!?大丈夫!!?」 フラフラなシャルに、急いで駆け寄って肩を貸す。 「ああ…酷い目にあった…アーウェスト二、三周して、やっとスピード落ちてきたからパラシュート見つけて、それで飛び降りて、バスカーの近くに着地して… そこから歩いてきた」 「お、お疲れ様…」 まさか二、三周もしてるとは… 絶対ガジルの発明したものの実験台にはならない。 俺は心の中で誓った。
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