214人が本棚に入れています
本棚に追加
さっき撮った写メは真田に俺の携帯へ送ってもらい、それを早速待ち受けに設定。
そして次元の穴が開くまで後十分を切った。
「…もうすぐお別れだね」
「ああ…」
俺が呟くと、真田と伊織が寂しそうな顔をする。
そんな顔しないでよ…行きづらくなるじゃん…
「ほら、そんな顔しないで。大丈夫、二度と会えないワケじゃないからさ!
また次元の穴が開いたら帰ってくるから!」
「約束だぞ!」
「ああ!」
よし、なんとか笑ってくれた。
きっと…また帰ってくるから。
そうこうしてる内に、強い風が吹き荒れる。
廃ビルの端から下を見ると、次元の穴が開いていた。
予定より少し早いけど、行かないと…
「もう行くのね?」
「…うん」
「気を付けてね。また帰って来なさいよ」
「絶対帰って来るよ。…今まで、育ててくれてありがとう!」
俺はそう言って深く礼をした。
母さんは目に涙を浮かべてた。
「じゃあな、シロン」
「うん。それじゃあ、またな!」
俺は言って、背を向けて穴に飛び込んだ。
みんなも後からついて飛び込んだ。
最初のコメントを投稿しよう!