この世界へ帰って来た…

2/6
前へ
/300ページ
次へ
「ん…」 頬に冷たい土の感触で俺は気が付き、目を開く。 視界の真ん中に見える銀色の毛に覆われた鼻先で、俺は獣人に戻った事が分かった。 「よいしょっと…てか、ここどこ…?」 立ち上がって周りを見回したら、どこかの森みたいだ。 とりあえず、この森を抜けたら分かるかな? 『みんな~、どこ~?』 ……… 魔導器でみんなに呼び掛けてみるけど反応無し。 圏外かな? てか、この魔導器に圏外とかあるの…? …まぁいいや、今は森を抜けることだけ考えよう。 俺はとりあえず、光が見える方に向かって歩き出した。 「ふぅ、やっと抜けた~」 歩き出して数分後、なんとか森を抜けることが出来た。 抜けて目の前に広がった景色は、渓谷。 タルミナ渓谷の違う入り口かな? 確か地図でタルミナ渓谷は、俺達が突入した入り口から反対側にもう一つ、入り口があり、すぐ近くに森があった。 って事は、さっきの森がその森って事で、この渓谷を進めばみんなに会えるかもしれない。 でも、一人で進むのは少し心細いな。 それでも行かないとみんなに会えない。 「…ま、なんとかなるでしょ」 俺は呟き、渓谷へ踏み出した。
/300ページ

最初のコメントを投稿しよう!

214人が本棚に入れています
本棚に追加