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「ハァ…ハァ…ハァ…」
猪から逃げ切って、今は近くにあった壁に手をつき息を整えてる。
にしても疲れた…
いきなりあんなのに追い掛けられるとは思わなかった。
「ふぅ…ここはどの辺りなんだろう」
無我夢中で走ってきたから、全く場所が分からない。
地図も無いし、周りを見回しても分からない。
…仕方ないか、このまま進んでこうか。
剣が無いのは不安だけど。
「よし、行きますか」
息が整った所で、俺は再び歩き出した。
―グリード視点―
「…シロンはドコだ?」
俺達はシロンを除いて全員、あのマッダードッグの大群と戦った場所に倒れていた。
シロンがいないのに気が付いて辺りを探して回ったけどいなかった。
それに魔導器も繋がらないし…どこ行ったんだよ…
一応、そこで座って待ってるけど、来るかどうかは分からない。
「グリード、少し休め。俺が代わるから」
「シャル…ありがとう、でも大丈夫、まだ待ってる」
「んじゃあ、俺も一緒に待つよ」
そう言ってシャルは俺の隣に座った。
もう日も傾き始めていた。暗くなれば、危ないのは確かだけど、探しに行って会える確率は無いに等しい。
「シロンなら大丈夫だ、あいつはあいつで強いだろ」
「ああ…そうだな」
シャルの言う通り、シロンも強い。
でも、暗くなる前にここまでたどり着いてほしいな…
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