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―シロン視点―
「ハァ…まだかな…」
この渓谷を進み始めてもう一時間近くなるんじゃないかな?
そうじゃなくても、体感的にそれくらいに感じる。
日も傾き始めて少しずつ暗くなってきたし…
夜になる前に抜けないと危険だし、急ごう。
そう思って小走りで進んで行く。
「ハッ…ハァッ…クソ、もう真っ暗じゃん…」
小走りで進んでいたけど、抜ける前に日が落ちて真っ暗になっちゃった。
「光よ、道を照らし出せ!サンライト!」
発動すると、俺の真上に子供の頭ぐらいの大きさの光球が浮き、辺りを明るく照らし出す。
俺を中心に、結構遠くまで照らし出してくれてるから、落ちる事はないだろう。
でも、慎重に行かないとな。
しっかりと、落ちないように注意しながら進む。
「あれ?あそこに誰かいるのかな?」
進行方向の少し向こうの方に明かりが見える。
とりあえず、あそこまで行って朝まで休ませてもらおう。
俺は明かりの方まで急いだ。
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