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「ハッ…ハァッ…」
光のあるとこまで、後少し。
「ッうわっ!?」
小走りになろうとした瞬間左腕を何かに掴まれ、無理矢理止まらされた。
誰だろうと後ろを振り返ると、全身真っ黒のローブを纏った誰かがいた。
フードを深く被っているから、男か女か判別できたない。
『渡り鳥よ、お前の中の力を感じているか?』
「へっ?」
直接頭の中に語り掛けてきた声。
その声からして男だ。
そして、その黒いローブの男は消えてしまった。
「…なんだったんだ?」
今のはなんだったんだろう。
まぁ、今は目的地までたどり着いて明日考えよう。
そう思って前に向き直り、歩き出す。
すると、光の近くに人影があった。
「ん…?シロン!!!」
「ふぇ?あ、グリード!!」
その人影がグリードだった。
グリードは俺の前まで走り寄ってきて、俺の肩を両手で掴む。
「無事だったか!?」
「う、うん。でっかい猪に追い掛けられたけど無事だよ」
「良かったぁ…」
グリードは本当に安心したような表情をした。
そこまで心配してたんだなぁ…
なんか悪い事した気分。
「ほら、コッチ来て休め」
「うん…ありがと」
俺はグリードに連れられ、テントに連れていかれた。
そして俺はみんなにお小言言われながら夕食を食べて休んだ。
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