運命とはつまり、めんどくさいものである

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キスした責任だと? 「その責任をとるのは君じゃないのか!」と言えたらどんなにいいものか。 遠い目をしながら僕は冷静になり彼女にいくつか質問することにする。 「どうしてキスしたの?」 「したかったから」 ………うん。わかった。18年間平凡に平和に生きたいと願い、努力してきた僕は悟った。 この子は僕の平凡を乱す。ということを。 不穏分子は僕の近くにおいてはいけない。 特にこの子は危険だ。キスしたい、という欲求は少なからず誰にもある。だが!それを見ず知らずのやつに行動に移すこいつはヤバい! 精神科、もしくは脳外科に行くのをオススメする。 だから考えた。この子と関わりたくない。つまり僕がすることはひとつ。 「これからは見ず知らずの人にキスしちゃダメだよ。じゃあね」 じゃ、のところで僕は走りだした。 足は早くない。だが、追い付かれない自信はあった。なぜなら彼女は秋葉原や原宿で見かけるゴシックロリータ、つまりゴスロリ衣装を身に付けていたからだ。 あれはどう見ても走りにくいし、動きにくい。だから撒いたと、思っていたんだ。
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