19人が本棚に入れています
本棚に追加
私の古い記憶の最後の五感。
固いベッドの感触、
完全に白いとは言えない天井が見え、
色んな薬品が入り混ざったようなにおいがし、
口の中が切れているのか血の味がした。
そして…
壁の向こう側から、頑固な父といとおしい人との激しい口論が耳に入ってきた。
「それでも、俺はっ…!」
聞かなければならなかったのに、私の運命はそれを許さなかった。
そして、私の記憶は「忘却」という名の「城」へと迷いこんでいった-…。
最初のコメントを投稿しよう!