プロローグ

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私の古い記憶の最後の五感。 固いベッドの感触、 完全に白いとは言えない天井が見え、 色んな薬品が入り混ざったようなにおいがし、 口の中が切れているのか血の味がした。 そして… 壁の向こう側から、頑固な父といとおしい人との激しい口論が耳に入ってきた。 「それでも、俺はっ…!」 聞かなければならなかったのに、私の運命はそれを許さなかった。 そして、私の記憶は「忘却」という名の「城」へと迷いこんでいった-…。
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