登校日

3/11
前へ
/34ページ
次へ
私は、行き慣れた道を歩く。外は涼しい風と眩しい朝日が昇っていた。 すると、ある住宅街へと続く坂道が現れた。 見慣れた道なのに、なぜだか足を止めてしまう。 まるで、誰かを待つように…。 思えば、事故に遭ったのもここより少し手前の道だったなぁ。 …まぁ、だから何だと言う訳ではないが。 私は再び歩を進める。 あの道がいかに大切だったかも考えずに。 …いや、落としてしまった記憶の一部だという事にも気付かずに。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加