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｢おはよう｣
まだ俺は寝ていたいが、これを言ってしまえばそれに対する諦めがつく
｢あら、おはよう──｣
台所の方から母の声と、味噌汁のいい香りがしてきた
｢んっ｣
前を見るとソファーに座りながら新聞を読む父が短く挨拶を返してきた
俺は黙って食卓につくと、程なくして目の前に朝食が置かれた
｢あんたもそろそろ進路を考えないとね｣
母が何気なくそんな事を零すがそれが何故か俺の心の深い所を嫌に撫でた
｢そうだね。またその話は日を改めて…｣
俺は適当にそれをあしらって味噌汁をすする
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