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「あーあ…。夏休みもあと一回かぁ…」
安奈が自販機からの帰りの廊下でぽつりと嘆いた
肩にかからない位の黒髪がさらりと揺れる
「まだ一回あるじゃねぇかよ」
尚之は呆れたように返す
首もとにはいつも付けているネックレスが光る
全くこいつは遊ぶ事ばっかりだな
「そういやお前ら、進路どうすんの?」
俺は今朝両親に尋ねられた事を試しに2人に聞いてみる事にした
「俺は県外の大学だな。詩織ちゃんもこのままいけば受験は乗り切れるってさ。まぁもちろん勉強は必要だけど」
さすが尚之だな。学年トップクラスは伊達じゃ無いってか
「あたしは多分県内の専門学校か短大かなー。詩織ちゃんにはもっといいとこ行けるって言われてるんだけど」
ちなみにさっきから出てきている詩織(しおり)ちゃんとはうちのクラスの担任の先生の事だ
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