第一章

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「んじゃ食うか。」 いただきますと手を合わせようとしたところで、ハイテンションなやつに遮られた。 「あれ?サキちゃんは?」 「ああ、サキくんなら熱だしたからまだ寝かせてる。」 俺のその言葉に、寝ぼけてた2人がぴくりと反応した。 「えー!サキちゃんまた熱だしたの?せっかく今日は休みだから一緒に買い物行こうと思ってたのに・・・」 「そう言うなって。サキくんだって好きで熱だしてるわけじゃないんだし。というかこの時期にサキくんを外に連れだそうとすんなよ。」 俺がそういうと、あ!そっか。ごめん・・・と急に声が小さくなった。 ・・・なんか、垂れた犬耳としっぽが見える。 俺がそんなことを思っていると、さっきまで黙っていたリーダーが口を開いた。 「昨日もう寝ろって言ったのに絶対起きてたな、サキくん。あとでおしおきしてやる。」 なんか黒いものが見えます、リーダー・・・。 「んふふ。リーダー、俺も手伝いますよ。」 ってニナギさん!あなたも黒いです! 俺はそんな2人をみて軽く恐怖を感じた。 ま、でも2人ともなんだかんだ心配性なだけだから、怒られるくらいですむだろう。 俺はそう思って、今度こそいただきますをした。
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