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―コンコン
「サキちゃん?入るよ?」
ドアをゆっくり開けながら部屋に入ると、サキちゃんが苦しそうにせきをしていた。
「!サキちゃん!」
俺はあわてて彼のもとへかけよる。
「ゴホッ!ア・・カバ・ケホッ!ちゃん?」
「大丈夫?」
俺は持ってきたお粥をとりあえず床に置き、サキちゃんの背中をさする。
「ゴホッゴホだい・・じょゴホッ!コホッぶ・・ゴホッコホッ!」
しばらくせきこんでいたが、だんだんとせきは落ち着いてきた。と思ったら今度はヒューヒューと苦しそうに喉を鳴らし始めた。
まずい!発作だ!
俺は次の症状が出る前に急いで薬を飲ませなきゃ!と枕元の薬に手を伸ばした。
「サキちゃん!はい!薬!」
薬を差し出すけど、なかなか受け取らないサキちゃん。
「ア・・・カバ・・・ちゃん、み・・・ケホッ!・・ず。」
あっそうか!
俺は慌ててベッド向かい側の冷蔵庫に水をとりにいった。
戻ってくるとサキちゃんは胸を押さえて苦しそうにしていた。
「サキちゃん!水だよ!」
「・・・・・・ッ!」
声をかけるけど、苦しそうに胸を押さえてるだけ。
やばい!
そう感じた俺は、無理やりサキちゃんの顔をあげ、薬と水を口におしこんだ。
サキちゃんの喉が軽く動き、飲み込んだことを確認した俺はひと安心。
しばらく様子を見ていると、サキちゃんの容態は安定してきた。
「・・・ッ・・ハアごめんね、アカバちゃん。ありがとう」
熱のせいなのかさっきの発作のせいか、汗をかいて顔を赤くしながらサキちゃんが言った。
「気にしないでよーって。お粥もってきたから食べよ?あ、その前に熱計って。」
俺はサキちゃんに枕元の体温計を渡した。
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