第二章

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noside 5人が出会ったのは、秋がまもなく終わりをつげる季節だった。 その日、いつも通り仕事を終えたオオヤマは、政府の指示があったため、とある高級ホテルに来ていた。 (こんなとこになんの用だよ・・・) 仕事を終えたばかりで疲れている(実際はそんなに疲れていないのだが)ため、オオヤマは早く帰りたかった。 しかし、政府の指示に背く訳には行かない為、ぶつぶつ文句は言いながらもエレベーターの最上階のボタンを押した。 最上階に着いたオオヤマは政府に指示された部屋の前まで来た。そしてインターフォンを押そうとすると・・・ 「あれ?もしかして君も呼ばれた人?」 後ろから声をかけられ思わず後ろを向くと茶髪がかった髪で長身の青年と、その青年の服をぎゅっと握りしめている黒髪の少年が立っていた。 オオヤマがきょとんとしていると、 「俺ね、アカバマオっていうの!こっちはねーカズ!君も政府の人達に呼ばれてここに来たんだよね?名前教えてよ!」 まったくの初対面にもかかわらずいきなり名前を告げてきた相手にオオヤマは思わずきょとんとしてしまった。 「ねー聞いてるの?名前教えてよ!」 再び聞かれてやっと我にかえる。 「・・・あ、俺はオオヤマサトル。」 そうオオヤマが言うとアカバはにっこり微笑んで 「よろしくね!」 2人は握手をかわした。 「ほらカズも握手しなよ!」 アカバがそう言うと、右手はアカバの服を掴んだまま左手をそっと差し出し、 「・・・よろしく」 ボソッと小さな声でつぶやいた。 「あ、うん、よろしく」 オオヤマもあわてて左手を出し握手をかわす。 「よし!自己紹介しゅーりょー!じゃさっそく中入ろう!」 2人の握手を見守っていたアカバがドアのそばのインターフォンに手を伸ばし、 ―ピンポーン ボタンを押した。
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