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暇を持て余した秋の夜長に、ふと思いついた代物。 俺が扱える桃色の炎『-pink rob- 』和訳を【意識狩る桃色】。 それをマッチ箱の裏の魔法陣に閉じ込め、開けた者を無差別に襲うように術式を組む。 先に言ったように俺は炎の魔術使えるからマッチとか火をおこす道具は必要ない。 確認しておくが、俺は俺が炎の魔術を使えることを秘密にしている。もしそれがばれて王国や公共の機関に知れたら、直ぐに兵士や近くの魔道書院、ギルドから追ってが差し向けられちまうからな。 だから、 「ところで、お前は何魔術師だ?眠気を誘う魔法は黒魔術だが、魔法陣に魔術を閉じ込める技術は白魔術だろう?他の奴と協力してやるならまだしもなぁ。まさかお前が賢者な訳でもあるめぇ」 シルフのこの言葉には心臓が弾む思いだった。 眠気を誘う魔法の魔力質は黒魔術の闇属性に依存する。理屈までは知らないが、闇は人の意識を奪うモノだから、くらいの認識で問題ないだろう。 それに対して魔法陣等の俗に防衛や罠に適した魔術は白魔道師が得意とするところ。 普通、黒魔術を魔法陣に閉じ込める際には黒魔道師と白魔道師がペアを組むものなのだ。 「俺の師匠が賢者なんだよ。このマッチ箱も師匠が防犯にってくれたモノだ。もう死んじまったけどな」 「へぇ。そうかい、そりゃぁ悪いこと聞いちまったな。じゃあお前も賢者なのか?」 「・・・ああ」 嘘だが。 まあ問題ないだろう。こいつとはこの先俺の人生が60年続いたとしても、深くかかわることはないだろうから。 俺は静かにこの地で朽ち果てるつもりだからな。 なに、寂しくはないさ春になればガーデニングをするし、夏になれば川で水浴びもできる。秋になると紅葉が、ここいら一体には美味しいキノコが生えてキノコ鍋。冬は少々寂しいが。
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