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「お前はどうやってあの家に帰るんだよ」 「そんなことお前には関係ない。じゃあな」 俺はこの地の魔樹に愛されているらしい。道に迷わず家に帰れるのさ。 また、何も変わらない孤独な日々が始まる。 俺の人生の転機は冬の始まりの日と相場が決まっているが、今年は転機が訪れることはなかったらしい。家に帰って春を待つ。そうだ、本でも書くかな恨み辛みをただただ書き綴るんだ。すこしは気分が晴れるかもしれない。 そうだ、この強盗も登場させよう。そうだな、章題は『時を越えた詐欺師』ってとこか。少々大それたものになっちまったが構わないだろう、誰が読むわけでもない。 「おい」 振り返る。 「達者でな、魔王3世」 気づけば、雪が止んでいる。章題変更。『天気がいい日の転機』ってとこかな。 ★ ★ ★ 自宅に戻ってきた。二人で。本名もバレた。 とにかく、こいつをこのまま村に返すわけにはいかなくなった。だって、俺のことばらされたら、やっと手に入れた平穏閑散な暮らしが奪われてしまうからな。
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