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「ああ、駐屯地が横だからな」
「六時には起きないの?」
「今日は代休を取ってるんだぞ。どうして起床時間に起きなきゃならん」
「たしかに」
理子も条件反射で起きてしまったが、体はまだ睡眠を欲している。それは昨日までの三連休に五十嵐に案内されて観光して回った疲れも一因だが、一番の理由は三日とも深夜まで繰り広げられた甘い儀式だ。体力に自信はあるが、これは別物だと思う。
理子も今日まで代休を貰っていて、昼の飛行機で帰る予定だ。そうしたらまたしばらく五十嵐とは会えない。なんせ、九州と北海道なのだから。
「さて、もう起きてもいいが……」
企んだ顔の五十嵐に引っ張られる。
「どうする?」
そうきいた割に、理子の返事を待たずに朝から濃厚な口づけを交わす。
そんなことしたら、帰りたくないと駄々をこねたくなる。そんな女じゃないと思いながらも、側にいたいと思ってしまう。
「どうした?」
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