待ち続ける友人

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待ち続ける友人

 青年は一人で、森の茂みに身を潜めていた。 そして、手には自分の背丈より長い槍が握られていた。  そのままジッとしていると、どこかから草を掻き分ける音が聞こえてきた。 (来たか!) 青年がそう思った時、目の前に大型の猪が草を掻き分けて現れた。  猪は青年が潜む茂みの前で止まると、地面に落ちてる食べ物を食べはじめた。  その食べ物は、青年が猪を狩るためにばらまいた物だった。  猪は、それを食べるのに夢中ですっかり警戒心が解けていた。 (今だ!) その隙を見逃さず、青年は一気に茂みから駆け出した。  今まで、警戒心を解いていた猪は、青年の出現に驚いていた。  しかし、突然の奇襲だったため、状況の理解はまだ出来ていない様だった。 (食らえ!) その隙を見逃さず、青年は槍を猪に向かって突き出した。 『ッドス』 鈍い音と共に、槍は猪の腹を貫いた。  しかし、息の根を止める事はできなかった。 (しまった!) 青年がそう思った時には遅く、猪はその場から逃げようとしていた。
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