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それを見た青年は、慌てて辺りを見渡し
「ユウ、頼む!」
そう叫んだ。
しかし、返事はなく、青年の声だけが森に響き渡った。
(あ…。 そっか…)
叫んだ時は無意識だった。 しかし、叫んでから、今は相棒がいない事を思いだした。
そんな事をしているうちに、猪は森の中に消えてしまった。
青年は、猪が消えていった森をジッと見つめるとため息を着いた。
その後、青年は近くにあった切り株に腰を下ろすと、再びため息を着いた。
(あいつがいなくなってから、1ヶ月か…)
青年が考えているあいつとは、さっき叫んだユウの事だった。
いないと言っても、どこかに行ったり、死んだりしたわけではない。
ただ、眠っているだけなのだ。 1ヶ月間ずっと…。
彼は1ヶ月前に起きた出来事により、意識を失ってしまい、それ以来彼はずっと眠り続けている。
(そういえば、ずっと一人だったなぁ…)
ユウの事を考えていると、1ヶ月間の自分を振り返った。
街に行くにも、狩りに行くにもだいたい一人で行っていた。
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