待ち続ける友人

2/3
前へ
/13ページ
次へ
それを見た青年は、慌てて辺りを見渡し 「ユウ、頼む!」 そう叫んだ。  しかし、返事はなく、青年の声だけが森に響き渡った。 (あ…。 そっか…) 叫んだ時は無意識だった。 しかし、叫んでから、今は相棒がいない事を思いだした。  そんな事をしているうちに、猪は森の中に消えてしまった。  青年は、猪が消えていった森をジッと見つめるとため息を着いた。  その後、青年は近くにあった切り株に腰を下ろすと、再びため息を着いた。 (あいつがいなくなってから、1ヶ月か…) 青年が考えているあいつとは、さっき叫んだユウの事だった。  いないと言っても、どこかに行ったり、死んだりしたわけではない。  ただ、眠っているだけなのだ。 1ヶ月間ずっと…。  彼は1ヶ月前に起きた出来事により、意識を失ってしまい、それ以来彼はずっと眠り続けている。 (そういえば、ずっと一人だったなぁ…) ユウの事を考えていると、1ヶ月間の自分を振り返った。  街に行くにも、狩りに行くにもだいたい一人で行っていた。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加