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「話しているのは俺だ。真由子は答えろ。仲がいいのはこの三人だな?何か問題は?」
真由子は何も答えない。
ただ足を組んで目を机に向けている。
「無いならいい。ただ俺は心配してるんだ。」
そこで真由子はため息をついてやっとまともな返答を返した。
「無い。無い。無い。これでいい?」
それに対して今度は真一が沈黙で返す。
真由子もそれ以上何も反応を見せない。
しかし急に思い出したようにまた口を開いた。
「つか先生さ、うちらの素性と全然調べてないでしょ。」
真一はハッとなったまま何も言い返さない。
「自分に酔ってんじゃねーよ。」
そう言ってに立ち上がった真由子はドアを開け放して出て行ってしまった。
真一は最後の言葉に呆然とするが、急いで後を追いかける。
すると自習をしているはずの明日佳が廊下に出て来ていた。
「あの、先生……。末永さんがバッグを持って帰ったんですが……。」
明日佳はおどおどしているようにも見えたが、真一は目に入らなかった。
明日佳に礼を言い、真由子の家に走る。
これが間違いだった。
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