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「どうしたんですか?倉本先生。」
声をかけられたところに居たのは、生徒指導の山内(ヤマウチ)先生だった。
真一は山内にも事情を話し、手伝ってもらうことにした。
真一はもう一度教室へ確認へ行こうと思い引き帰し、山内は靴箱へ向かう。
しかし途中で靴箱近くの女子トイレが目についた。
―もしかしたらここにいるかもしれない。
そう思った山内はトイレのドアに手をかけ、中に入り、中を見渡す。
しかし人の気配は無く帰ろうとした瞬間だった。
ガシャンというけたたましい音がドアからした。
何事かと思った山内がドアに手をかけるが開かなかった。
いや、正確には開けなかった。
向こうから何かつっかえてあるようだ。
山内は意味がわからない行動に苛立ちを覚えたが状況の悪さに気付いた。
ここは女子トイレ。
自分は男子教師。
その意図がわかった山内は激しくドアを開けようとしたが、開かない。
向こうから近付いてくる大量の足跡が聞こえた瞬間、山内はその場に座り込んだ。
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