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「よし、正解だ。よくできたな……。……。」
褒める真一に見向きもせず真由子はさっさと席に着席する。
「末永さん!!倉本先生が褒めてるのに……!」
見るからに優等生のようなショートに眼鏡の女生徒は山口明日香(ヤマグチアスカ)。
名簿の左に委員長と記してあった。
「あー、っと。明日香、いいよ。ありがとな。」
真一はここへ来て初めて安堵した気になる。
明日香もはにかんだように笑ったが、後ろの男子が明日香の後ろの男子が椅子を強く蹴り上げ、何かを耳打ちした途端に明日香の顔が真っ青になり黙り込む。
頭はよくても所詮中学生だ。
調子にのるなとでも耳打ちしたのだろう。
真一はこのクラスの全体が見えたような気がしていた。
恐らく教師をからかって、見下して遊んでいる。
クラスのトップクラスの生徒に逆らえば虐められるのだろう。
そしてそれを警告する。
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