魔法と歴史

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この遺伝子で魔力を与える能力によって、150年も経つとほとんどの人間が魔法を使えるようになった。 その魔法のせいで、国家内における治安は悪くなる一方であった。 力を手に入れることによって、『自分が一番強いんだ』という《特別思想》を持つ人間が増え、魔法を使い人間同士が争う様になったのだ。 外からは魔物、中からは人間。 これに対して、国家親衛隊は元素魔法である火,水,風,闇,光の魔法を使うそれぞれのトップレベルを五人決め、『帝』の称号を与えた。 その帝達の存在を国家内で広め『お前達より強い者がいる』という特別思想を持つ人間達に圧力をかけたのだ。 この『帝』のおかげで、国家内の紛争は半分にまで減ったという。 しかし、それでも魔力を得る前に比べれば、まだまだ治安が戻ったとは言えなかった。 人間暦1310年。 魔法が使えるようになり200年。人間歴から『魔法暦』に暦名を変更。 人間暦1310年…魔法が見つかって200年ということで、魔法暦200年。 国家親衛隊はその名を『国家五帝親衛隊』に変更。 当時の国王であり光帝であった『アイル・スピーゲル』は『ミゲル・アルタカイダ』に国王と光帝の座を渡し、それと伴って名の無かった王国を『アルタカイダ王国』に変更。 『魔法で荒れた世界を、魔法で元に戻す』 それが国家五帝親衛隊のスローガンであった。 ミゲル国王は進んで国家内を周り、荒れた地域を自らの魔法で鎮圧した。
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