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それは…まだ魔法の存在が当たり前では無かった、人間暦1008年───
王国北西地方『カルル海岸』から…王国内を激震させる出来事が起こった。
『翼の生えた黒い人間が、町で暴れている』
───魔物の発見である。
当時、王国の護衛団であった『国家親衛隊』はカルル海岸に向かい、その翼の生えた魔物を退治した。
国家親衛隊は翼の生えた魔物一匹に、連れていった人数の三分の一も殺されたという。
その魔物は、手から黒い〝何か〟を発して、国家親衛隊が用いた兵器などを破壊し、それで攻撃をしたと歴史には記されている。
その世界で初めて発見された魔物は、初めて襲撃を受けた地方から取り『カルル』と名付けられている。
カルルを退治した国家親衛隊は、この生物がどこから来たかを探るため、カルル海岸周辺を探索し始めた。
そして、カルル海岸に魔物が現れてから二ヶ月……
人間暦1009年。海の向こうに大陸『魔界』が発見された。
と同時に、王国以外の大陸が存在したことがわかった瞬間でもある。
この魔界に人類で最初に脚を踏み入れたのは、当時の国王であり国家親衛隊隊長の『カイン・スピーゲル』であった。
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